反マルクスというのは言いにくかったのは事実だし、ぼくも読みましたよ。ただ、いま困るのは、ぼくの娘が大学院にいってるんだけれど、この間うちにある私の蔵書の
『資本論』を見たらしくて、「パパの読んだら、前の方しか線が引いてなかった」なんていわれて。(笑)それにへんな書き込みしてあるのもわかるでしょう。
話を戻すと、マルクス主義に対してはある段階で疑問だったけれど、いまでも一般化して言えば、社会に対する見方としては、重要で全然古びていないと思う。社会というものが集団間の闘いということは、階級間だけでなくて、男女間やエスニシティーや利害集団の中でも、起こるわけですから思考法として大事なものかと思います。ただ、当時は、思想のある部分の現実への当てはめなんですね。マルクスの枠組みだけで世の中をみてわかったようになるのはいきすぎでしょう。