総タイトルは、506点で、現在流通しているのは329点です。(2004年11月現在)部数が伸びたのは、
『女は男のどこを見ているか』(岩月謙司著)で、20万8000部ほどです。
『もてない男』などと併せて「ちくま新書“男”シリーズ」と言われたりしましたが、別に意識的にシリーズ化したわけじゃないんですよ。たまたまです(笑)。
最近では、
『禅的生活』(玄侑宗久著)が驚くような売れ方をしました。新聞広告が出る前に動き出したんです。発売2日後には重版がかかって、びっくりしました。理由は……実はよくわからないんですが(笑)、「仏教ブーム」が背景にあったと思います。河合隼雄さんと中沢新一さんの
『仏教が好き!』(朝日新聞社)が話題になっていましたし、先が見えにくい時代に、心の拠り所を求める雰囲気が世の中にあって、それには仏教が一番親しみやすいと感じたのでしょうか。それに「禅」には厳しいというイメージがありますけど、「禅の思想って、実は何ものにもとらわれない自由な精神なんですよ」ということを前面に出しましたから、それもよかったのでしょう。もちろん、玄侑先生が、名の通った作家であることも大きな要因です。その後も版も重ねて、今15万2000部です。