5月15日、本土復帰50周年の記念式典が沖縄と東京で開催された。『沖縄50年の憂鬱』(河原仁志著)では、日米の公文書や証言から返還交渉の経緯や本土復帰の背景を探る。沖縄に米軍が「集約」され、その存在が不可視化されたことが、今日の「対米従属」「日米同盟」の原点だと指摘する。他に普天間基地移設問題の経緯を振り返る『辺野古入門』(熊本博之著)、米軍統治時代、米国陸軍による留学制度によって沖縄から米国留学(米留)した人への聞き取りから、アメリカの思惑を読み解く『「米留組」と沖縄』(山里絹子著)など、半世紀を経ても変わらない、沖縄に対するこの国の姿勢を再認識させられるような新書が出た。
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