南北和平を永続的なものにするためには、先ほど述べたとおり、2005年の包括和平合意の条項がしっかり実行されるよう、国際社会の支援や政治的な働きかけが欠かせません。
また、ダルフールに関して言えば、日本政府を含む各国政府や国際機関が、スーダン政府に対して、ダルフールの市民をも標的とする軍事作戦はやめるように、強く働きかけなくてはなりません。また、反政府勢力に対しても、一般市民に対する攻撃をやめるよう求めることも必要です。
国連安全保障理事会は、2007年7月、やっと、国連とアフリカ連合のハイブリッド・平和維持軍(UNAMID)の派遣を承認しました。しかし、UNAMIDは、数も装備も十分ではなく、一般市民を保護するための活動を十分に行なうことができていません。スーダン政府が、派遣の妨害や活動の邪魔をしているからです。UNAMIDがしっかり活動できるよう、各国政府が、スーダン政府に圧力をかけ続けることが必要です。
HRWは、
日本政府に対しても、書簡を送るなどして、働きかけをしています。日本は、スーダンに対する多額の債権を持っているほか、第二の石油輸入国でもあり、関係は浅くはありません。スーダン政府要人との面会の折には、一般市民への攻撃を即刻停止すること、UNAMIDの配備を妨害しないこと、全面的にICCに協力することなどを、スーダン政府に対し要求するべきだと要請しています。