HRWにとって、公平性であることは、極めて重要です。
レバノン戦争でも、
イスラエル、
ヒズボラ双方が民間人を攻撃しましたので、双方による民間人被害についてレポートしています。ただし、必ず、HRWの報告内容を快く思わない立場の政府や団体は、HRWを攻撃しようとします。内容について批判できないときこそ、「政治的バイアスがかかっている」とか「何もわかってない」と批判するのです。しかし、HRWは、人権を踏みにじる政府・反政府勢力であれば、どんな立場の団体だろうと批判します。また、そうした批判に反駁するためにも、アメリカ政府を含めいかなる政府からも援助を受けないのです。日本の方々のなかに、HRWがいつもアメリカ政府とともに行動しているように思われているとすれば、その誤解をとき、公平に情報を発信していることを知らせる努力をしていかなければいけませんよね。たぶん、HRWが執筆した
米国による人権侵害のレポートを見ていただければ、そういった誤解はすぐ解けると思います。ただ、アメリカ政府が人権保護に重点を置く外交政策をとっている国については、私たちはアメリカ政府と協力します。例えば、ブッシュ政権下でも、
ビルマや
スーダンに対するアメリカ政府の外交政策は、人権を重視するもので評価すべきです。日本も、対ビルマ政策、対スーダン政策でこそ、対米協調していただきたいです。